贈与にはいくつかの種類があります。

(1)定期贈与・・・定期的に一定の金額を贈与。 例)「毎年、100万円ずつ20年間贈与する」

(2)負担付贈与・・・財産を贈与された者(受贈者)に一定の義務を負わせる贈与。受贈者が負担を負わない場合には、贈与者(財産を贈与する者)は贈与契約を解除できます。 例)「土地を贈与するので、かわりに、借金を負担してほしい」

(3)死因贈与・・・財産を贈与する者の死亡によって実現する贈与。なお、この死因贈与の場合のみ、贈与税ではなく相続税の課税対象となります。例)「私が死んだら家をあげる」

(4)通常の贈与・・・上記以外の贈与。贈与の都度、贈与契約が行われます。 一般的に相続対策としてよく出てくる「生前贈与」はこの贈与です。

 

相続に相続税があるように、贈与には贈与税があります。相続税は 相続や遺贈で財産をもらった場合に払うことになりますが、生前に贈与で財産をもらっておくと相続税は少なくなるか、またはゼロになり、そうすると、生前贈与で財産をもらったかどうかで不公平が生じることになるため、生前贈与の部分に対しては贈与税をかけることで不公平を防止しています。なお、贈与税には贈与で取得した金額が110万円までであれば贈与税はかからないという基礎控除という免税枠があります。その他、相続税対策として『贈与』のメリットと活用ポイントを紹介致します。

 

生前贈与のメリット

■相続時における相続財産の絶対量を減らすことができる!

■本人の意志であげたい人にあげたい財産を残すことができる!

■相続人以外の人への贈与も可能

■贈与する有効な時期を自由に決められる!!

■税制改正のリスクを回避できる!!

生前贈与活用のポイント

■基礎控除、税制の特例を活用する。

■時価が相続税評価額より 大きい財産の贈与を優先する。

■将来、値上がりが見込める財産の贈与を優先する。

■高収益物件の贈与を優先させる。

■できるだけ後世代に贈与する。

正しい贈与のポイント

■贈与する人の預金口座から贈与する金額を引き出し、貰う人の預金口座に毎年あげたいときに振り込むこと。

■貰う人は自己名義の預金口座をつくり、届出印は必ず贈与者とは違うものにすること。

■通帳、印鑑、証書などは贈与を受けた人が自ら管理すること。

■贈与財産の額が贈与税の基礎控除額を超えるときは、贈与を受けた人が贈与税の申告と納税を行うこと。

■贈与契約書を作成して、贈与の意思があったことを明確にしておくこと。

効果的な贈与のポイント

■贈与による節税の基本は、「人数は多く」「期間は長く分割」すること。

■連年贈与とみなされないように毎年[贈与契約書」をつくったり、贈与の金額を変えたりと工夫すること。

■トラブルを避けるためには確実に贈与の証拠を残すこと。

■「名義借り」にならないように相手に財産の所有権を移転すること。

■年に1回程度の自分の資産の試算をすること